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マナーよく話そう


何でもストレートに表現する英語に「敬語」なんて存在するの? と思うかもしれませんが,ネイティブの英語表現には相手の気分を損ねないような気遣いが見られます。

この6つのルールをマスターすれば、われわれのコミュニケーションもよりスムーズになるでしょう。

Case 1

荷物をたくさん抱えているのでひとりではドアを開けられない。通りかかった人にドアを開けてくれるように頼みたいのですが、どういえばよいでしょうか。

A: Hey, open the door for me! Thanks!

B: Excuse me, could you open the door for me? Thank you very much.

 

Rule 1 couldやwouldを使うと丁寧な言い方になる

  見知らぬ人に声をかけ,しかもドアを開けるという依頼をするわけなので,当然丁寧な表現を使うべきです。Aのようないい方は友達同士であればごく自然に聞こえますが,通りがかりの人に対していうのには失礼です。

  まず,声のかけ方がAはHey,BはExcuse meとなっていることに注目してください。Heyは日本語でいうなら「おい」とか「ねえ」という感じです。Excuse meは「すみません」と,いきなり声をかけることに失礼がないように気を使っているわけです。さらに,AではOpen the door for me.と命令口調になってし、ますが,BはCould youopen the door for me?と依頼口調になっています。Couldはひじょうに丁寧ないい方です。Canでなく Couldと過去形になっているのは一種の仮定法で「(もしよろしければ)ドアを開けていただくことはできますか」と話し手の控えめな気持ちを表現しています。相手に何か頼 みごとをするときにはCouldをつけることによってこちらの誠意を伝えることができるのです。

  また,たとえ丁寧に依頼しても,最後にお礼をきちんといわなければ誠意は伝わりません。アメリカの人たちはちょっとしたことに対してもかならずThank you.といいます。Thank you very uch.は丁寧ないい方ですので,ドアを開けてくれたくらいのことであれば,Thanks.でも十分でしょう。

正解はB

 

Case 2


クライアントに会う日時を変更しなければなりません。会社にとっては重要な顧客なので,失礼のないようにしたいのですが,どういえばよいでしょうか。

A: I want you to meet me next Wednesday instead. I can't make it on Thursday.

B: Could you possibly meet next Wednesday instead?

 

Rule 2 押しつけ口調は避けるべし

 AのI want you to...は「あなたに〜してもらしてたい」という意味ですが,これは自分の意志をかなり相手に押し付けている感じの表現です。Wantという語はかなり強い要求を意味することが多いからです。上司や目上の人がこのようにいうのなら,まだよいでしょう。しかし,間違ってもクライアントに対して使う表現ではありません。

 BのCould you (possibly)...?なら失礼になりません。もっと丁寧にいうならWould it be possible to meet next Wednesday instead?(代わりに水曜日にお会いするというのは可能でしょうか)になります。大切なクライアントであればこれくらいの丁寧さでもよいでしょう。

 

  失礼のないようにアポイントメントの変更を申し出るとき,もうひとつやり方があります。それはHow about meeting next Wednesday instead?,と提案する切り出し方です。Bの表現ほどの丁寧さはありませんが,押しつけのようなニュアンスは含まれないので覚えておくと便利でしょう。

  もうすこし,簡単に丁寧な感じが出せる便利なフレーズを紹介しましょう。それは... if it is convenient for you(ご都合がよろしければ)や... if it inot too much trouble(ご迷惑でなければ)などです。依頼の言葉の後にさりげなく付け加えてみてはいかがでしょうか。

 

正解はB
 

Case 3


郵便局までの道を聞かれたので、そこの角を右に曲がるように指示したいのですが,どういえばよいでしょうか

A: Please turn right at the corner over there.

B: Turn right at the corner.

 

Rule 3 相手の利益にあることに丁寧表現はいらない

 道を案内する場合,丁寧にP1ease walk...というのは変です。「そこの角を曲がってください」というふうに、日本語では「〜してください」といいますから、ついその感覚で英語でも相手に何かを教えてあげるときなどに, Please...とつけ加えたくなります。しかし,pleaseはこちらから何かをお願いするときに使うもので,道案内などでは必要ありません。つまり,英語では相手の利益になることにはpleaseのような丁寧表現は使わないのです。ましてCould you...?なビは,付けると丁寧にしたつもりが,かえって奇異に聞こえることさえあります。

  相手に利益になることだけではなく,単なる指示であってもpleaseなしの命令文を使うことがあります。たとえば,席を譲るときには,Have a seat.やHere.で十分です。

  なお,相手をもてなすときや,歓迎するようなシチュエーションでは若干の丁寧表現をつけることがあります。たとえば,Please make yourself at home.(どうぞくつろいでください)やPlease help yourself to these cookies.(どうぞこのクッキーをつまんでください)などです。これらは相手の利益になることですが、please程度の軽い丁寧表現言葉ならつけててもおかしく聞こえることはないでしょう。

 

正解はB
 

Case 4


気の置けない友人にマクドナルドに立ち寄ろうと提案したいのですが,どういえばよいでしょうか。
A: How about stopping at McDonald's? I'm a little hungry.
B: I'd like to suggest that we have something to eat at McDonald's.
 

Rule 4 TPOに応じて丁寧さの度合いを変える

  友達に対して必要以上に丁寧な表現を使うのは考えものです。なぜなら,丁寧表現というのは,ある意味で相手との距離を保つために使われるものだからです。自分より上の立場の人に対して丁寧表現を使うのは,顧客と自分,上司と自分の間には一定の距離を保つことで,相手への尊敬の気持ちを表しているといえるわけです。したがって,友達に対してはむしろ丁寧表現を使わないほうが,距離感がなくなり,親しみやすく感じられるわけです。英語でも日本語でもそうですが、丁寧表現はTPOをわきまえて使うことが大切なのです。

  また逆に,いくら目上の人,見知らぬ人といえども,度を超した丁寧表現は,かえって失礼に聞こえることがあります。たとえば,署いので窓を開けてほしいときに、I hope you don7t mind my asking so, but could you possibly open the window?(あなたが私のお願いしたことで気を悪くなさらないといいのですが,もしできましたら窓を開けていただけますか)などというのは,いんぎん無礼な感じで、嫌みです。この場合、単にCould you open the window?(窓を開けていただけませんか)でいいでしょう。

 

正解はA
 

Case 5


電車で会社の取引先のアメリカ人に偶然会いました。何か、話しかけたいのですが、どう切り出したらよいでしょうか

A: Oh, Mr. Smith? Why are you here? Where are you going?

B: Oh, Mr.Smith! Looks like we are heading the same way. Where are you headed?

 

Rule 5 尋問のような質問はしない

  相手がどこに行こうが相手の勝手であり,聞いている本人もそれほど関心があるわけでもないのに,どういうわけかまるで尋間のように質問を浴びせる人がいます。このような質問にプライバシーを重んじる欧米の人が,当惑することも少なくありません。

  電車でたまたま乗り合わせた相手にWhere are you going?と聞くと,目的地はどこかを聞いていることになります。日本語の「どちらまで」は単なるあいさつですが,その英訳としてならばかなりニュアンスが違います。Where are you headed?のほうが日本語に近い感じです。Where are you headed?と聞かれると,別に目的地を答える必要もなく,I'm going as far as Yokohama.(ちょっと横浜まで)と愛昧な答え方ができるので,失礼になりません。

  また,Why are you here?などもいけません。電車で偶然一緒に乗り合わせたのであれば,Looks like we're heading the same way.(向かっている方向が同じみたいですね)程度のあいさつが適当でしょう。

  あいさつの代わりに何か質問する場合は,尋問のような直接的な問いかけをするのでなく,相手が,答えたければ答える、そうでなければあいまいに答えても,また答えなくても構わないような質問表現を選びたいものです。

 

正解はB
 

Case 6


知り合いのアメリカ人と一緒にパーティー会場に向かっています。遅刻気味なので,タクシーを拾おうと思うのですが,相手は電車を待とうとしています。どう説得したらよいでしょうか。  

A: We could, but I think we should take a taxi instead. The next train won't come until four.

B: No. It's no good to wait for the train. I don't want to be late.

 

Rule 6 相手の意見を全面否定しない

 相手の意見に反対するのは難しいものです。このケースでは,電車を待ちましょうという相手の提案に対して,それに反対する気持ちをどう表現するか,という問題ですが,BのIt's no good to wait for the train. では相手の意見を全面的に否定しており,失礼になります。一方、AはWe could...と受けています。Couldは「そうしようと思えばできますが、(できればしたくない)」という気持ちを表すいい方です。控えめないい方ですので,相手も気持ちを損ねることはないでしょう。

 このように,相手の意見や提案に反)[オの気持ちを伝えるときには,相手の意見や提案を全面否定するのではなく,先に理解を示すことが大切です。その後で,自分の意見を述べるようにします。

  扉のクイズでもいきなりNOというのではなく,Excuse me.と断わってから、相手がかけた番号が違っているのを教えてあげるのがよいでしょう。

  また,相手に反対の意見を示すときには,理由を添えることが大切です。AではThe next train won't come until four.(4時まで次の電車が来ませんから)とはっきりと理由を述べているので,説得力があります。BはI don't want to be late.(私は遅れたくありません)と自分の気持ちを述べているだけで,これでは相手が納得しないかもしれません。   

 

正解はA

 

「Politeの原則・マナーよく話そう」(吉成雄一郎)English Journal, June, 1998